アレルギー性鼻炎について

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎の主な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりです。それらに悩まされ、夜眠れない、仕事や学業に集中できないなど、生活面に悪影響が出ることがあります。また同時にアレルギー性結膜炎をおこし目がかゆくなることもあります。

アレルギー性鼻炎や結膜炎は、空気中にとんでいる花粉やハウスダストなどのアレルギー原因物質が粘膜に付着することで起こります。アレルギー性鼻炎は、「季節性アレルギー性鼻炎」と「通年性アレルギー性鼻炎」に分けられます。

「季節性アレルギー性鼻炎」は、いわゆる花粉症です。代表的なものは1月末から3月にかけて飛ぶスギ花粉によるものです。この他にもさまざまな花粉が原因になり得ます。4月~GWごろはヒノキ、GW明けから梅雨入り前を中心にイネ科の植物、9~10月にはブタクサやアキノキリンソウなどの花粉が飛びます。冬にも一部でスギ花粉が飛ぶことがあります。これらの花粉の飛ぶ季節に合わせて発症するのが季節性アレルギー性鼻炎です。

一方、「通年性アレルギー性鼻炎」は、その名の通り季節に関係なく発症するもので、原因となるのはダニ等のハウスダスト、カビ、ペットの毛などです。日本人の約4人に1人が通年性アレルギー性鼻炎であると言われています。

また、あきらかなアレルギー原因物質はなく、温度差や気流(エアコンの風など)、自律神経の影響(起床時、食事時など)などがきっかけとなり症状が出る「血管運動性鼻炎」と呼ばれるものもあります。高齢の方に比較的多く、治療法は「季節性・通年性アレルギー性鼻炎」とほぼ一緒です。

舌下免疫療法について

アレルギー性鼻炎の治療としては、抗ヒスタミン薬などによる薬物治療と点鼻薬による治療があります。これは鼻の炎症を抑える対症療法です。その一方、「舌下免疫療法」というものがあります。これは微量のアレルギー原因物質を体を入れることで、徐々にアレルギー症状を起こしにくい体にしていくものです。当院ではこの舌下免疫療法も行っています。

舌下免疫療法は、現在、スギ、およびダニに対するアレルギー性鼻炎に対して実施されています。5歳以上のお子様から大人まで行える治療法で、下記の要領で開始します。対象となる方や開始時期については医師にお尋ねください。

舌下免疫療法の流れ

1.アレルギー検査をします

採血でアレルギーの原因をチェックして、スギ、ダニに反応があることを確認します。


2.初回の服用は院内で行います

錠剤を舌下(舌の裏)に置き、1~2分含みます。アナフィラキシーショックの有無を確認するため、当院施設内にて医師の監督の下で行い、服用後約30分院内にとどまっていただきます。


3.ご自宅で服用し続けます

2日目以降は、医師の指示に従って、毎日(1日1回1錠)、ご自宅にて2週間服用します。途中で問題があったりご不安を感じたら途中でもご受診ください。


4.2週間後に再び受診します

2週間後に外来を受診、問題がないかどうか確認のうえ量を増やします。


5.月1回の間隔で通院します

その後は1カ月に1度の割合で通院、問題が起こらないか確認しながら服用を続けます。

治療期間について

舌下免疫療法は、3~5年(最低でも3年)程度持続することで、効果が出てくる治療法です。その間は、アレルギー性鼻炎の対症療法としてのお薬も処方いたします。舌下免疫療法によって症状が軽減していけば、お薬の量を減らしたり止めていくこともできます。

副反応について

舌下免疫療法は、ごくまれに、ショック症状やアナフィラキシーなどの副作用が起こる場合があります。そのため医師とよく相談し、医師の監督のもと行うことが重要です。その他の副作用としては、口の中のむくみや腫れ、かゆみ、不快感、唇の腫れ、のどの刺激感や不快感、耳のかゆみなどがあります。何らかの症状が現れた場合、速やかにご受診ください。